March 22, 2012

【読書】トトロの住む家


宮崎駿さんの著書
トトロの住む家を読みました。

宮崎さんが中央線沿線
杉並や吉祥寺を練り歩き、懐かしい家や風景を見つけては
立ち寄って話を聞くというエッセイです。

所々に、宮崎さんのスケッチが入っていて
それだけでも、気持ちのこもった温かさを感じる事ができます。

同時に、執筆当時(バブル全盛)のある種のカルト的ブームのような
利便性を追求し、人間らしい豊かさを失い
変わりゆく東京に対して苦言ともとれる意見を書いてあります。

区画が狭くなり、分譲マンションが立ち並び
懐かしさが無くなってきた東京で
豊かさを再確認するため、かつての郊外である
杉並、三鷹を散策し見つけては感動していくというものです。

宮崎さんは、白い家や分譲には全く興味がありません。

中を見なくても、全て想像ができると。
それより草木がのびっぱなしでも造作のある家にすごく興味がわき
どんな人が住んでらっしゃるのかすごく気になると。

東京の杉並で古くからの区画を守り
売って大きな分譲マンションを建てた方が儲かるのに
頑に住んでらっしゃる人はどういう人なのか。

そういう家には賢くて立派な方が住んでるに違いないと
勝手に想像してはニヤニヤしていたのでしょう。

豊かさという意味では
東京はまったく逆走していると感じます。
不便さが無い分、居心地の良さや安心感は比例して無くなっていく。
大切な感覚もどんどん失っている事にも気がつきました。

不便の中には人間の大切な感覚を学ばせるものがある。
昔鎌倉に行った時の
家を守り、こだわって生活されている人たちを見て
全身に感覚がビンビンに澄み渡っていく気持ちのいい事。

そして読み終えた今日の帰り道
いつもと同じはずの景観が違って見えました。
東京にもまだまだ残っていますね。

安心した暮らしがしたい。
ただそれだけです。