January 15, 2010

【読書】世に棲む日日(2)


↑(漫画SIDOOHの高杉晋作)
晋作編の感想です。

晋作は上士という、若干身分の高い家に生まれ
現代だと芸術家になったと言われています。
いつも、三味線をもって歌っていた印象は強いですね。

若い頃は、1週間に1回は違う女性と性行為をしないと
自尊心が保てないような、とんでもない男です。

そんな彼も、死の際は身代わりになりたいと
出てくる人もいるほどの人望を集めました。
彼は派手好きで、湿っぽいのが嫌いでした。
俺が死んだら墓の前で、三味線を弾いて踊りでも踊ってくれと…

天皇に対して頭を垂れて涙し、将軍に対して頭を上げて
"Yo,征夷大将軍"
って言うような歌舞伎ものです。

僕が彼の一番好きなところは国を愛したところです。

国を救うため晋作は、松蔭から受け継いだ思想力で生涯をかけます。
妻も息子も愛人も友人も全て捨てて…
国を救うことで、またこれらを救うために。。

"おもしろき こともなきよも おもしろく
棲みなすものは 心なりけり"

彼は詩人で、上の辞世の句でも
世の中の面白さはココロ次第だよ、と死の淵で歌っています。
そして晋作の人生は27年と8ヶ月で終えるのです。
今の僕と同い年で、彼はやる事やって死にました。

男がほれる男です。
その男がほれる松蔭とは…

"花神"とペアで読むことで
より深い理解が出来ると思います。
最高に面白かったです。