February 10, 2010

【読書】胡桃に酒

司馬遼太郎先生の『くるみにさけ』という作品を読みました。

主人公はtop of 美人といわれた明智我羅奢(ガラシャ)さんです。
明智光秀の娘でキリシタンです。
秀吉はある意味父のカタキということですね。

兎に角、夫細川忠興の偏愛ぶりが狂気に感じます。
今の時代で言えば、嫉妬の塊に狂ったストーカーと殺人鬼を
全てあわせたような人間です。

ガラシャさんが、庭師に話しかけ
その庭師が言葉を返しただけで、惨殺です。

夫が戦になると、火薬詰めにした部屋にガラシャさんを閉じ込め
攻められたら、火を放てと
敗戦後に陵辱されるくらいなら、いっそ殺すという気違いぶりです。

タイトルの胡桃に酒は、ガラシャさんはお酒が飲めたそうで
ある日、胡桃をさかなにして飲んでいました。
その夜、胡桃と酒は食い合わせが悪いらしく
おなかが痛くなります。

その時に、忠興と私は『胡桃と酒』ではないのかと思い
違う違うと否定ながら、涙するというものです。

最後はキリシタンらしい最後です。

"散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ"

この辞世の句には彼女の凛々しさと度胸を感じます。
短編なのに読み応えありました。
ホントに聡く美しい華の様なジャパニーズガールを見れます。