March 27, 2010

【読書】翔ぶが如く(2)

翔ぶが如くが3巻に突入しました。
正直すごく固い物語だなーって感じです。
常に政治の話ばかりですね。(僕は好きです)

だた唯一色があったのは2巻の中ほどに
"千絵"という人が出てきます。

どういう人かというと
元々江戸の大名屋敷に住んでたお嬢様です。
薩長による明治政府が出来て、千絵は徳川と共に江戸を追われ
様々な陵辱を受けました。

戊辰戦争の最中に
生き別れた兄の存在を信じそれらに耐え忍びました…

江戸に戻った千絵は、明治政府の立役者の薩摩の武士と
中むつまじく新しい生活を営んでいきます。

ある日、兄は彼女が慕う薩摩の武士に切られたことを知るのです。
彼女は悲しみにくれます。

涙の理由は兄の死よりも、ホントに一人ぼっちになってしまった
というこいうところにあるようです。
それでも薩摩人には恨みはないと、至誠に彼女は伝えます。

涙の中、時になぜ泣いているのかわからなくなるほどに
現実を受け止められない彼女が、痛いほどに印象的でした。

皮肉なことに滑稽なほど明るい愚直な薩摩の人たちは
独自の屈託のない愛嬌で彼女の心を癒していくのです。

女性としてのたおやかさと
凛とした武家の女としてのプライドは
読者の心にしかと印象付けられることでしょう。

こんな感じに作品が長いんで
感想を小出しにしていきたいと思います。