西南戦争の田原坂の激戦
9巻はここからどんどん奈落へ向かう薩摩軍のお話です。
田原坂は同年代の戦争でも
もっとも激戦だったと言われるくらいの悲惨な戦いで
戦後に弾同士がぶつかって潰れたモノが見つかるくらい
密度の濃い銃撃戦が繰り広げられました。
兵器の差と、圧倒的な兵力の前にも薩摩の兵は屈さず
勇敢に戦いますが、やはり消耗戦ではどうにもならず
徐々に押されていきます。
戦争さえなければ
穏やかな美しい自然の広がる熊本の山々で
それは行われます。
薩摩軍幹部もどんどん戦死していきます。
自害する者、戦場で死ぬもの
それらは西郷の下へ報告とともに運ばれます。
薩摩のため、自分の志のためと言って
ここで無くなったどの人間の死に際も辛くも華々しかったです。
幹部連中を西郷は息子のように愛し可愛がっていました。
遺体を前にした西郷の感情表現はブルッと来るもんがあります。
武器と兵隊の消耗故に
薩摩軍は熊本を立ち退くことになります。
次第にとても勢いがあり勇敢だった薩摩兵は
鎮台兵と変わらないくらい臆病になり
ずるずると逃げ、投降する兵士もでてきます。
ついに次は10巻
感動のラストです。