司馬遼太郎先生の『くるみにさけ』という作品を読みました。
主人公はtop of 美人といわれた明智我羅奢(ガラシャ)さんです。
明智光秀の娘でキリシタンです。
秀吉はある意味父のカタキということですね。
兎に角、夫細川忠興の偏愛ぶりが狂気に感じます。
今の時代で言えば、嫉妬の塊に狂ったストーカーと殺人鬼を
全てあわせたような人間です。
ガラシャさんが、庭師に話しかけ
その庭師が言葉を返しただけで、惨殺です。
夫が戦になると、火薬詰めにした部屋にガラシャさんを閉じ込め
攻められたら、火を放てと
敗戦後に陵辱されるくらいなら、いっそ殺すという気違いぶりです。
タイトルの胡桃に酒は、ガラシャさんはお酒が飲めたそうで
ある日、胡桃をさかなにして飲んでいました。
その夜、胡桃と酒は食い合わせが悪いらしく
おなかが痛くなります。
その時に、忠興と私は『胡桃と酒』ではないのかと思い
違う違うと否定ながら、涙するというものです。
最後はキリシタンらしい最後です。
"散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ"
この辞世の句には彼女の凛々しさと度胸を感じます。
短編なのに読み応えありました。
ホントに聡く美しい華の様なジャパニーズガールを見れます。