June 24, 2009

【読書】巧妙が辻

司馬遼太郎先生の"巧妙が辻"を読みました。
正直、僕の中ではかなり二度読み候補になるくらい
おもしろかったです。

お話は、戦国時代で山内一豊という
今の高知県の藩主にまで上り詰めた人の
サクセスストーリーです。

ただ主人公はその奥さんの千代さんなんですが
この人がいなかったら、一豊は一国一城の主には
なれませんでした。

そういう千代の内助の功の物語でもあります。

一豊には本来そういう大きな器量はなく
ただ"律儀"ということ以外とりえがありませんでした。
そのとりえを千代がうまく発揮させるのです。

不器用なくせにものすごくまじめで
若い頃は千代のため、千代にまた会うために
戦場から戻ってくるような人です。

意気地もなく、無理に器量以上のことをやって
千代を傷つけたこともたくさんありますが
最後に一豊を失った千代の悲しみはすさまじい表現でした。

信長のもと大切な友の死、関ヶ原で花開く夫婦の絆
土佐での裏切り、そして別れ。

一豊の得た巧妙は、今の日本にも残っています。

高知(地盤が悪くその頃は河内とかく)
という地名を名付け、今の三菱のマークは
幕末に岩崎弥太郎が山内家にお世話になったことから
山内家の家紋です。

こうして一人の人間として一豊の一生を見てみると
リスペクトとピュアが合わさった
律儀な人間として今を生きたいと感じてしまいます。